2014 年 25 巻 p. 35-44
構造物設計の際には構造性能や耐久性能が重視されており,CO2排出量などの環境性能が考慮されることは少ない。そこで本研究ではプレキャストコンクリート(以下PCa)製品に着目し,あるPCa製品製造の環境負荷評価を行った上で,廃棄物や産業副産物,再生骨材をコンクリート用材料として使用することと,蒸気養生を気温の高い日に限り行わないことで,環境負荷低減の観点からより有用なPCa製品を製造する方策の検討を行った。その結果,本研究で対象としたPCa製品工場では年間45.7日間蒸気養生を行わないことでSOX排出量を約14%低減でき,フライアッシュを20%,細骨材の30%を溶融スラグ細骨材に置換することでCO2排出量を約18%低減できた。