コンクリート工学論文集
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耐塩害混和材を用いた蒸気養生コンクリートの塩化物浸透抵抗性
大和 功一郎伊藤 貴康山地 功二吉武 勇
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2020 年 31 巻 p. 1-9

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抄録

耐塩害性が必要とされる海岸付近や凍結防止剤が散布される地域の鉄筋コンクリートへの適用を目的として,著者らはBET比表面積13m2/g程度のポゾラン系の非晶質微粉末の混和材を開発した。本研究では開発した混和材のプレキャストコンクリート製品への適用を想定するため,蒸気養生したコンクリートを主対象に,塩化物浸透抵抗性およびその機構を調べた。試験結果より,同混和材をセメントに質量比4~12%(20~40kg/m3)置換した場合,塩化物浸透抵抗性が向上することが確認された。この機構として,0.1μm以上の細孔容積が減少し0.01μm以下の微細な細孔容積が増加するなど緻密化していること,およびフリーデル氏塩などの生成により塩化物イオンが固定されていることが推察された。

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© 2020 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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