コンクリート工学論文集
Online ISSN : 2186-2745
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31 巻
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  • 大和 功一郎, 伊藤 貴康, 山地 功二, 吉武 勇
    2020 年31 巻 p. 1-9
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/15
    ジャーナル フリー

    耐塩害性が必要とされる海岸付近や凍結防止剤が散布される地域の鉄筋コンクリートへの適用を目的として,著者らはBET比表面積13m2/g程度のポゾラン系の非晶質微粉末の混和材を開発した。本研究では開発した混和材のプレキャストコンクリート製品への適用を想定するため,蒸気養生したコンクリートを主対象に,塩化物浸透抵抗性およびその機構を調べた。試験結果より,同混和材をセメントに質量比4~12%(20~40kg/m3)置換した場合,塩化物浸透抵抗性が向上することが確認された。この機構として,0.1μm以上の細孔容積が減少し0.01μm以下の微細な細孔容積が増加するなど緻密化していること,およびフリーデル氏塩などの生成により塩化物イオンが固定されていることが推察された。

  • 佐藤 悠士朗, 櫨原 弘貴, 添田 政司, 深見 桜
    2020 年31 巻 p. 11-22
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/15
    ジャーナル フリー

    コンクリートの品質を向上させる施工方法の一つに振動締固めを行った後,一定時間をおいてから再び振動を与える再振動がある。しかし,再振動の明確な実施時期や実施方法に関する情報は極めて少なく,現場では感覚と経験に基づいた加振が行われているのが現状である。そこで本研究は,再振動の実施時期の指標としてN式貫入深さから求めたコンクリート抵抗値を用い,再振動の実施時期や加振時間の影響について検討を行った。その結果,コンクリート抵抗値が17×10-3N/mm2に到達した時期に再振動を行うのが最も効果的であることが分かった。また,再振動時の加振時間は,5~10秒程度で行うことでコンクリートの品質は向上する結果となった。一方で,再振動の実施時期が遅い場合や加振時間が長くなると,再振動によるコンクリートの品質の改善が期待できなかった。

  • 緒方 英彦, 兵頭 正浩, 石神 暁郎, 新 大軌
    2020 年31 巻 p. 23-32
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/15
    ジャーナル フリー

    積雪寒冷地で長期供用された鉄筋コンクリート開水路の側壁気中部では,白色析出物により閉塞した気泡およびひび割れが存在することが既往の研究により明らかになっている。本研究では,開水路の側壁気中部からコアを採取し,気泡およびひび割れを閉塞している析出物を特定するための微視的検討を行った。EPMAによる元素の面分析により気泡およびひび割れが析出物で閉塞していることを確認した後,SEMおよびEDX,XRDによる結果から析出物がエトリンガイトであることを明らかにした。また,気泡およびひび割れにエトリンガイトが生成したのは,ひび割れ周囲からのカルシウムイオンの溶脱と炭酸化領域からの硫酸イオンの移動が関係していると推察した。

  • 大塚 秀三, 中田 善久, 十河 茂幸, 奥山 夏樹
    2020 年31 巻 p. 33-46
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/15
    ジャーナル フリー

    本研究は,各種要因が小型容器によるブリーディング試験(小型容器法)の試験結果に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,小型容器法に影響すると考えられる要因のうち,試験に用いる容器,環境温度,試料の取扱方法,コンクリートの使用材料および配(調)合に着目して実験的に検討した。その結果,φ125-h212.5およびφ150-h255の寸法の試料であれば,実験水準の変化をJIS A 1123と同程度に把握できることを明らかにした。また,ブリーディング量については,両容器ともJIS A 1123に近似した結果の得られる一方で,ブリーディング率についてはφ125-h212.5ではJIS A 1123に比べて若干大きくなることを明らかとした。

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