2023 年 34 巻 p. 37-46
コンクリートの乾燥収縮に対する要因は,配合条件である単位水量や水セメント比等の影響に加え,近年,骨材自体の収縮に起因する影響が周知の事実となっている。骨材による影響は,土木学会の示方書式や日本建築学会式のひび割れ制御指針において定性的には組み込まれているものの,その複雑性ゆえに十分に解明されていない現状にある。そこで,本研究では,骨材の物性が収縮に与える影響を把握することを目的に,データの裏に潜む支配機構を柔軟に抽出できる機械学習を援用した分析を実施した。その結果,骨材の平均比表面積が支配的な影響力を有し,さらに,配合条件と骨材の平均比表面積が連関しながら収縮へ影響を及ぼすといった支配機構の存在が示唆された。