日本色彩学会論文誌
Online ISSN : 2436-7451
PCCSトーンにおける色の心理的な明るさとあざやかさの統合次元“Brilliantness”の提案および色の印象次元との対応関係 原著論文
若田 忠之
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2023 年 1 巻 1 号 p. 1-14

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抄録

本研究ではPCCSトーンにおける色の心理的な明るさとあざやかさを合わせた統合次元“Brilliantness”を提案することにより,色の属性と色の印象次元の対応関係を検討することを目的とした.調査1として色の印象評価を行い,色刺激はPCCSにおける11トーン,12色相および無彩色の計24刺激を用いた.評価には20形容詞対で構成した7段階のSD法を用いた.調査2として色の心理的な「明るさ」,「あざやかさ」の測定を行った.色刺激は12トーンを用いた.評価ではVisual Analog Scaleによって「明るさ」と「あざやかさ」の評価を行った.主成分分析によって色の心理的な明るさとあざやかさを合わせた属性として,“Brilliantness”を提案することができた.また,色の3 属性と因子分析における色の印象次元の対応関係については,特に明るさ,あざやかさと対応する印象次元が示され,それらの印象次元は“Brilliantness”とも対応することが示された.これらの点から,“Brilliantness”の概念を用いることによって色が対応する印象の変化の定量的な表現が可能となると考えられる.

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© 2023 一般社団法人日本色彩学会
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