抄録
粘土鉱物の膨潤挙動の理解は、断層の摩擦強度や土木分野・廃棄物処理など基礎研究から実用まで幅広く重要である。粘土鉱物の膨潤挙動は層間イオンの水和特性を知ることが必要となる。雲母はへき開により原子レベルで平滑な広い表面を容易に準備でき、表面に交換性カチオンを持つため、表面に吸着したカチオンと水の構造・物性を調べるのに最適である。本研究では分子動力学計算を用いて、雲母表面の水の性質を調べ、従来報告されているX線反射率法の反射率パターンと比較し、雲母表面上および表面間のカチオン・水の構造・物性を考察する。