抄録
高比表面積をもつ酸化マグネシウム(以後HS-MgO)は有害陰イオンをよく取り込み、土壌・地下水の浄化材料として用いられている(吉坂ら, 2008)が、その取り込みメカニズムは明らかではない。予備実験の過程でHS-MgO(periclase)が一般的な取り込み実験時間の範囲内でMg(OH)2に変質することが確認されたために、その取り込みメカニズムを明らかにするには、まずMgOからMg(OH)2(brucite)への変質挙動を評価することが必須であると考えられる。そこで本研究は、時間の関数としたMgOの水溶液中における変質実験を行いHS-MgOの変質挙動を明らかにすることを目的とした。