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末益 匠
セッションID: A01
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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本研究では、安価で塩化物を含まない原料として、ケイ素源に水ガラス、アルミニウム源に硫酸アルミニウムを用い、さらに反応濃度を向上させた上で、Si/Alモル比を変化させ、工業的スケールを踏まえた合成条件の最適化を行った。この非晶質アルミニウムケイ酸塩は水蒸気吸脱着能、二酸化炭素吸脱着能に優れる粘土化合物である。
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福井 健, 山田 登志夫, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A02
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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近年、粘土鉱物の一種ゼオライトを添加したコンクリートが注目されている。ゼオライト添加コンクリートは窒素やリンまた有害汚染物質に対して吸着能を持った水質浄化コンクリートなど、ゼオライトの有用な化学機能を活かした新しいタイプのコンクリートとして利用されている。
しかしコンクリート組織内のような高濃度Ca共存アルカリ環境下でのゼオライトの反応性については詳細な検討がされておらず、ゼオライトの化学構造や化学機能の安定性については詳細に検討されていない。そこで本研究では、コンクリート組織内を想定した高アルカリ環境下でのゼオライト溶解性評価を行った。
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皆川 和己, 山田 裕久, 田村 堅次, 森本 和也, 渡辺 雄二郎
セッションID: A03
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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本発表では,従来法であるスプレードライ法(SD法)と著者らが開発したハイブリッド噴霧法(HAT法)を利用して,サポナイト,ヘクトライト,モンモリロナイトを生成し,それらの粒子の特性(形状,粒子径や粒度分布など)を比較し,HAT法により生成されたそれぞれの膨潤性層状珪酸塩ナノ球状粒子を評価した.
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得能 愛子
セッションID: A04
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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イモゴライトは様々な分野での有効活用が可能であるが、そのためには高純度のイモゴライトを安定かつ大量に合成する必要がある。しかし、従来の合成方法(滴定法)は大量合成には適していない。そこで本研究では、尿素を用いた新たな合成方法(尿素法)を提案し、両方法の生成物の比較を行った。各測定において、両方法での生成物間で違いは確認されず、尿素法では、従来と同程度の高純度イモゴライトをより簡便に安定して得ることができた。さらに、尿素法はフロー式での合成が可能になるため、大量合成に期待できる。
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-締固めベントナイトの初期乾燥密度が及ぼす相互作用への影響-
横山 信吾, 広永 道彦
セッションID: A05
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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締固めたベントナイトとセメント系材料の相互作用について実験的に検討し、セメント系材料の溶脱は、高密度に締固めたベントナイトと接することで遅くなることが明らかとなった。また、締固めベントナイトは、交換性陽イオン組成が変化しているものの、鉱物組成に顕著な変化は観察されなかった。
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河村 雄行
セッションID: A06
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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水に飽和したカオリナイトを主成分とする堆積岩や粘土の力学的性質を予測するために、カオリナイト表面に挟まれた粒界水の構造と物性を、分子動力学法シミュレーションを用いて予測した。3種の粒間水環境があり、異なる物性を示す。
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佐久間 博, 河村 雄行, 藤井 直樹
セッションID: A07
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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ベントナイト中の水・放射性核種イオンの移動・拡散は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関連して評価すべき重要な課題である。本研究では、最終的に放射性核種イオンのモンモリロナイト端面への収着挙動の解明を目指し、まずモンモリロナイト端面の構造と吸着水の挙動を第一原理電子状態計算により評価する。まず尤もらしい2つの端面の構造について構造最適化を行い、安定構造を求めた。また端面近傍の水のCPMD計算を行い、吸着水の挙動を調べた。
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田村 堅志, 八田 珠郎, 道上 勇一, 森本 和也, 山田 裕久
セッションID: A08
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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層状珪酸塩の剥離化プロセスにおいて剥離層のシーケンスを制御できれば、材料設計に多様性をもたらし、新規な複合材料の創製が期待できる。その一つの手段として数層おきにゲスト分子が進入するステージング現象に着目している。最近、我々は脱水酸基化(dyhydroxylation)した2八面体型層状珪酸塩をアルキルアンモニウム溶液で処理することによってゲスト分子が1層おきに挿入(ステージング構造を形成)することを見出した。本研究では脱水酸基化した天然セリサイトのステージング挙動について報告する。
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河野 元治, Hwang Jinyeon
セッションID: A09
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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酸性多糖の炭酸カルシウム鉱物の生成速度および多形への影響を評価するため、アルギン酸およびゲランガムを含む反応系の炭酸カルシウム鉱物の生成実験を行った。その結果、これらの酸性多糖はともに炭酸カルシウム鉱物の生成速度の低下とアラゴナイトの生成抑制(カルサイトの生成促進)作用を示し、アルギン酸はゲランガムに比べてより強い作用を示すことが確認された。
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長谷川 優介, 福士 圭介, 杉浦 朋典, 森下 知晃, 大橋 竜太郎
セッションID: A10
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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高レベル放射性廃棄物地層処分において、人工バリアにベントナイトを緩衝材として利用することが提案されている。長期に渡る処分期間(~百万年)に炭素鋼が鉄腐食生成物へと変質し周囲に鉄を溶出することで、鉄によるベントナイトの変質が生じ期待される性質が失われることが懸念されている。そこで長期の評価を与える手法としてナチュラルアナログ研究が提案されている。本研究では青森県黒石鉱山を対象に、鉄を含む溶液によるベントナイト変質過程、特に粘土鉱物学的変化を明らかにすることを目的とする。
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宮脇 律郎, 島崎 英彦, 重岡 昌子, 横山 一己, 松原 聰, 圦本 尚義, 楊 主明
セッションID: A11
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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世界有数の希土類元素の鉱床である白雲鄂博の標本から,yangzhumingite[KMg
2.5Si
4O
10F
2]に続いて,フッ素雲母の新種が2種,確認された。これらはtetraferriphlogopite[KMg
3Fe
3+Si
3O
10(OH)
2]と木下雲母[BaMg
3(Si
2Al
2)O
10(OH)
2]のフッ素置換体に相当し,このたび国際鉱物学連合・新鉱物命名分類委員会から新鉱物として承認された。
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中川 昌治, Santosh M., 丸山 茂徳, 福岡 正人, 垣内 豪, 篔 健太郎
セッションID: A12
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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四国の三波川帯,秩父帯北帯・南帯,四万十帯北帯には,層状マンガン鉱床が数多く分布している.これらの鉱床の構成鉱物や地質を検討した.鉱床の構成鉱物として,Caryopilite,Chlorite,Todorokite,Rhodoniteなどの鉱物が付加体の変成度に対応して分布する.マンガン鉱床は,深海底のマンガンノジュール・クラストを含む珪質堆積物が日本列島に付加・変成したものであると推定する.
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山田 浩史, 長谷部 徳子, 福士 圭介, 田村 明弘
セッションID: A13
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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高レベル放射性廃棄物の地層処分において、ベントナイトが炭素鋼から生じる含鉄溶液と反応し、期待される性質を失わせる可能性がある。本研究は、アパタイトフィッショントラック(FT)法を用いることによりベントナイトの変質に要した期間・温度を明らかにすることを目的とした。研究の結果、ベントナイト変質時にはアパタイトFTに影響を及ぼすような条件ではなかったことが示唆された。
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吉田 英一
セッションID: A14
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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地下環境は、エネルギー備蓄や放射性廃棄物処分などの近年の環境問題対策において欠くべからざる要素である。このような背景のもと、これまで進めてきた地下環境に関する調査研究から、地下岩盤中の割れ目内に認められる充填鉱物の組織や鉱物種には、地下環境が形成されるに至ったさまざまな情報が蓄積されていることが分かってきた。今回の発表では、とくに充填鉱物を用いた地下環境解析の現状と、粘土状充填鉱物の産状等を通して、地下備蓄や放射性廃棄物処分などの地下環境の長期利用における意義と今後の課題について紹介する。
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藤井 直樹, 山川 稔, 佐藤 努, 藤田 健太, 鹿園 直建, 徳井 佑樹, 並木 和人, パスクア チェロ, アチーラ カルロ, アレキ ...
セッションID: A16
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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本研究では、セメント系材料への地下水侵入過程での高アルカリ地下水生成と天然類似プロセスが存在する地質環境としてオフィオライトに着目した。オフィオライト起源の高アルカリ地下水とベントナイト鉱床が近接するフィリピンのルソン島北西部において実施した、高pH環境下でのベントナイトの鉱物学的特性について、XRD、FESEM-EDX、EPMA、偏光顕微鏡による分析・観察を実施した。その結果、ベントナイトの変質帯が確認されたがその範囲は小さかった。
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伊藤 健一, 平田 利治, 山田 和宏, 河野 勝仁, 横田 漠
セッションID: A17
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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海底堆積で生成した宮崎県南部の日南層群は、自然的原因により砒素を含む。そのため、日南層群で公共土木工事を行う際、掘削された土を汚染土壌として扱わなければならないことがあるが、日南層群に関する重金属類の特徴やリスクに関する調査事例はほとんどない。そこで、日南層群の工事掘削土に関して、砒素を対象にその溶出傾向や環境リスクに関して実験的検討を行ったので報告する。
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井上 厚行
セッションID: A18
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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八丈島東山の火山活動に由来するテフラの風化生成物である球状ハロイサイトの電子顕微鏡観察、粒径分布解析に基づいて、球状から管状への形態変化の機構を曲げ弾性論的観点から考察した。
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-花岡鉱山産sericite/sudoite混合層鉱物の再検討-
東 正治
セッションID: A19
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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花岡鉱山産sericite/sudoite(S/S)混合層鉱物は24Åの微弱な長周期反射を示す雲母-緑泥石規則型混合層である。XRD底面反射系列パターンには規則混合層からのずれとブロード化が伴うので,各種S/S比の混合層モデルに基づくシミュレーション計算を行いながら混合層構造を詳しく再検討した。どの単独モデルよりも,S/S=50/50(10%)+45/55(20%)+40/60(30%)+33/67(40%)の4種複合モデルシミュレーションの方が,実際のXRDパターンにより近い。
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永田 洋
セッションID: A20
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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粘土鉱物の結晶学的特性を、粘土鉱物はいかなる結晶であるか、粘土鉱物の単結晶は存在するかという視点から考察し、層の形成と積層の特性に基づく粘土鉱物の分類図を提案する。
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-自然に学ぶ新しい廃水処理技術の開発-
岡本 浩紀, 森本 和也, 安楽 総太郎, 佐藤 努, 米田 哲朗
セッションID: B01
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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本研究では、自然環境における銅や亜鉛の浄化メカニズムを参考に、より効率的な廃水処理技術を開発することを目的とした。銅ケ丸休廃止鉱山では、人工の処理を施すことなく、廃水中の銅や亜鉛がハイドロウッドワーダイトの生成によって濃度が減少している。層状複合金属複水酸化物は、それらの水酸化物より低いpHで沈澱することや陰イオン交換能を持つことから、銅や亜鉛の廃水処理において有効な沈殿対象物であると考えられる。
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西岡 さき
セッションID: B02
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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製紙スラッジ(PS)は再生紙の製造段階で発生する産業廃棄物であり、製紙スラッジ焼却灰からゼオライトを合成することは循環型社会の構築に寄与する。今回、以前本研究室で行われた製紙スラッジ由来の酸化チタン・ゼオライトナノ複合体のアセトアルデヒド吸着・分解機能の研究を、水溶液系でのメチレンブルーへ応用した。その結果、紫外線照射下での吸着・分解率は低濃度で高い値をとっており、吸着材(ゼオライト)と光触媒(酸化チタン)が共存することでより効果的な有機化合物の除去が可能であることが示唆された。
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劉 暁吉, 佐藤 努, オピソ アインシュタイン, 米田 哲朗
セッションID: B03
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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This paper studied the sorption behavior of fluorine by synthesized minerals in Si-Al-Mg system formed at alkaline condition and room temperature. Mineral phases which have high F- removal efficiency are Hydrotalcite-like minerals and smectite-brucite mixtures. The removal efficiency of co-precipitation experiment was much higher compared to that in adsorption experiment.
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亀田 知人, 土屋 勇一, 山崎 貴司, 吉岡 敏明
セッションID: B04
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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機能化したLDHによる水溶液からの有機物除去能力の違いは、有機酸アニオンの性質とLDHの層間隙が影響していると考えられる。本研究では、LDHの層間隙の影響を検討することを目的として、性質が等しく分子径の異なる有機酸アニオン、すなわち炭素数が3、6、12のアルキルスルホン酸イオンをインターカレートしたMg−Al LDHを合成し、水溶液からの非イオン性芳香族化合物の捕捉について検討した。
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菅 大輔, 會澤 純雄, 高橋 諭, 平原 英俊, 成田 榮一
セッションID: B05
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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層状複水酸化物(LDH)は、陰イオン交換能をもつ粘土鉱物の一種であり、層間に医薬成分を取り込めることからドラッグデリバリーシステムへの応用が研究されている。本研究では、カーボンナノスフェアを鋳型として、抗がん剤5-Fluorouracil/LDH中空ナノスフェア(中空5-FU/LDH)の合成を検討した。XRD、FT-IRおよび形状観察より、サンゴのような表面をもつ中空5-FU/LDHの合成が確認された。
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蔵本 京子, 小川 誠
セッションID: B06
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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ブルーサイトとギブサイト及び硝酸マグネシウムから硝酸型LDHを得たという報告を参考に最近検討を始めた固相反応による合成について報告する。固相反応でp-トルエンスルホン酸、マロン酸、シュウ酸、酢酸などを層間に取り込んだMg/Al-LDH層間化合物の合成が可能であり、温和な条件でMg/Al-LDHの層間化合物を合成する方法として提案する。
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日比野 俊行
セッションID: B07
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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層状複水酸化物(LDH)が、媒質中で薄層に剥離することが見出され、幾つかの方法が報告されている。剥離LDHは媒質中では安定的に分散しているが、媒質が蒸発して失われれば、再積層や凝集を起こしてしまい、安定ではない。本研究では、新規な陰イオン吸着剤などへの利用を期待して、高分子ゲルとの複合により、LDHナノプレートを孤立分散させた状態で高分子の網目構造中に固定した複合材を合成することを試みた。
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クレイ/高分子の創るネットワーク構造のもたらす物性変化
原口 和敏
セッションID: B08
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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層状剥離したクレイ(スメクタイト類:ヘクトライト)存在下でのin-situ重合により、特異的な高分子/クレイネットワーク構造を有するナノコンポジットゲル(NCゲル)を調製した。NCゲルは従来のゲルの課題を一挙に解決する優れた特性を示した。
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森久保 諭, 関根 由莉奈, 深澤 倫子
セッションID: B10
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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粘土粒子laponiteとpoly(ethylene oxide)を混合した水溶液は、せん断を加えるとゾル状態からゲル状態に変化し、その後、時間経過に伴い再びゾル状態に戻るという興味深い性質を持つ。この特異な性質の解明には、水溶液中の水の構造を知ることが重要である。本研究では、水溶液中の水の構造を解明することを目的とし、ラマン散乱の測定を行った。この結果を基に、含水率の変化に伴う水溶液中の水の構造変化について議論する。
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福本 浩大, 黒田 義之, 小川 貴史, 黒田 一幸
セッションID: B11
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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水中で薄層化した酢酸型MgAl-LDHとカルボキシラト基により表面を修飾した粒径1-2 nmの金ナノ粒子の複合化を検討した。STEM観察の結果から、金ナノ粒子の粒径はほとんど変化せず、LDHの表面に凝集することなく均一かつ高密度に固定化されていることがわかった。以上より、LDHと金ナノ粒子の複合化には静電相互作用の利用が有効であることがわかった。
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藤村 卓也, 三崎 吉成, 嶋田 哲也, 立花 宏, 井上 晴夫, 増井 大, 高木 慎介
セッションID: B12
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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当研究室では規則的な有機分子の配列制御を目指しゲスト材料として粘土を、ホスト材料としてカチオン性ポルフィリン色素を用いてきた。粘土上での有機分子の配列制御について成功しているが、無機物での検討は行われていなかった。本研究では粘土鉱物としてモンモリロナイトを選択し、更なる能動的制御を目指して無機物への展開を検討した。はじめに無機物の対象として金を選択した。粘土のみ、あるいは粘土-ポルフィリン複合体をゲストとして使用しすることにより金ナノ粒子の微細化、及び高密度化に成功した。
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田中 俊行, 西本 俊介, 亀島 欣一, 高口 豊, 三宅 通博
セッションID: B13
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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層状複水酸化物(LDH)は陰イオン交換能を有する層状粘土鉱物である.LDH層間には様々な有機アニオンをゲストとして取り込むことができる.一方,デンドリマーと呼ばれる規則的な枝分かれ構造を有する樹木状多分岐高分子は,その構造中の任意の位置に様々な官能基を導入できることが知られている.本研究では,核にアントラセン発色団をもつデンドリマーを用いたイオン交換における反応溶液のpHが層間のデンドリマーの状態と取込量に与える影響について検討した.
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鈴木 康孝, 松永 怜也, 川俣 純
セッションID: B14
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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我々は、粘土-色素ハイブリッド膜中で、色素の分子変形が抑制されると分子レベルの三次の非線形光学定数の虚数部を起源とする二光子吸収断面積が増加することを見出した。二光子吸収断面積の増加が見られる粘土-色素ハイブリッド膜において、非線形光学定数の実数部も増加している可能性がある。そこで本研究では、粘土との複合化で分子変形が抑制される、または、粘土との複合化で分子変形が抑制されないハイブリッド膜の光第三高調波の挙動を調査した。その結果、二光子吸収断面積が増加するハイブリッド膜において、非線形光学定数の実数部の大きな増加が観測された。
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天満 悠太, 鈴木 康孝, 川俣 純
セッションID: B15
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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有機分子/粘土複合体は高効率二光子吸収材料の有力な候補である。しかし、これまでに作製された複合体は、単位体積当たりの色素の密度が低い状態でしか大きな二光子吸収断面積を示さなかった。
本研究では、有機分子にポルフィリン誘導体TMPyP
4+を、粘土鉱物に合成サポナイトを使用し複合体膜を作製した。この膜は実用上の価値が高い波長で、かつ色素が高密度に吸着した際にも、大きな二光子吸収断面積を示した。
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石田 洋平, 増井 大, 嶋田 哲也, 立花 宏, 井上 晴夫, 高木 慎介
セッションID: B16
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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当研究室では、カチオン交換性を有する粘土シート上にカチオン性ポルフィリンを高密度かつ非会合状態で吸着させることに成功している。本研究では、構造の異なるカチオン性ポルフィリン色素の粘土表面への吸着力について評価した。サイズマッチングの度合い、中心金属の種類、カチオンの数・部位によって吸着力が異なることを見出した。
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中戸 晃之, 山田 佳美, 井上 沙衣, 菅原 淳, 南野 佳宏
セッションID: B17
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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スメクタイト粘土と層状ニオブ酸塩の剝離ナノシートを混合したコロイド分散体(以下粘土―ニオブ酸ナノシート分散体)中で起こるいくつかの光化学反応を検討した。分散体への紫外光照射によって、半導体光触媒であるニオブ酸ナノシートが励起され、励起電子はニオブ酸ナノシート自身に蓄積された。カチオン性のシアニン色素を加えて紫外光を照射した場合は、色素の光分解が起こった。いずれの反応も、光不活性な粘土ナノシートの影響を受けた。
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千葉 薫, 會澤 純雄, 高橋 諭, 平原 英俊, 成田 榮一
セッションID: B18
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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色素増感太陽電池は色素の安定性やTiO
2表面への色素の吸着量が発電特性に影響することが知られている。本研究では、層状複水酸化物 (LDH)による色素の吸着量ならびに安定性の向上を目指し、TiO
2/LDH薄膜の合成ならびに薄膜への色素の吸着について検討した。合成した薄膜は、XRDよりLDHおよびTiO
2の回折ピークが見られた。色素吸着後の薄膜は、UV-vis測定によって色素の吸収ピークが見られた。
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高橋 信行, 黒田 一幸
セッションID: B19
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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層状ケイ酸塩Octosilicateの層間をトリエトキシシリル基を有するイミダゾリウム塩のイオン液体で修飾した層状ケイ酸塩Octosilicateを水中で剥離し、無機-有機複合ナノシートを合成した。AFM観察によって、大きさが0.1 - 1 µmのナノシートが観察され、その厚さは2 nmであり、単層への剥離が示唆された。
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朝倉 裕介, 松尾 侑紀, 高橋 信行, 黒田 一幸
セッションID: B20
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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ソーダライトケージの半分が連なった骨格の層構造を有し、同一層表面に相対したSi-O
-/Si-OH基を有する層状ケイ酸塩RUB-51に対して、トリクロロメチルシランおよびジクロロジメチルシランを反応させた。分析の結果、生成物の2つのSi-O
-/Si-OH基に対して1つのシリル化剤が反応したことが示された。また、トリクロロメチルシランでシリル化されたRUB-51については熱処理により、縮合が起こり三次元化したことが示された。
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黒田 義之, 伊藤 和之, 黒田 一幸
セッションID: B21
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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メタノール修飾されたカオリナイトに種々の第4級アンモニウム、第1級アミンをインターカレートさせ、カオリナイトの剥離によるナノスクロールの形成の可否を調査した。第4級アンモニウムを用いた場合、反応と同時にナノスクロールの形成が進行した。第1級アミンを用いた場合、インターカレーションの後トルエンでデインターカレーションを行うことでナノスクロールの形成が進行したことから、ゲスト分子のヘッドとカオリナイト層の相互作用の違いにより、剥離プロセスが変化することが分かった。
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ブン キム ヌン, モハマド ハマリザ, アーマド ザイナル アリフィン, 岡田 清
セッションID: P01
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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カンボジアの中部にはメコン川やトンレサップ川などがながれ,周辺の後背地からの表土などの流入により粘土-シルト質の堆積層が発達している.そこで,これらの堆積性粘土資源に対して調査した.化学組成的にはFe成分が10 mass%程度と多く含まれていた.粒度構成的にはシルト画分が最も多く,粘土画分にはクロライトとカオリン鉱物が主体で,可塑性は良好であった.焼成実験では,C2試料は1200℃でほぼ焼結したが,粘土画分の少ないC1試料は3%程度の吸水率が残った.
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八田 珠郎, 根本 清子, 真木 太一, 礒田 博子, 山田 パリーダ, 脇水 健次, 杜 明遠, 篠原 也寸志, 越後 拓也
セッションID: P02
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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黄砂粒子最表面状態を議論する場合、黄砂に含まれる鉱物の特性を詳細に把握しなければならない。日本に飛来し、フィルターに捕捉された黄砂構成鉱物として、石英、ハライト、シルバイト、カルサイト、石こう、コクタイト、クロライト、硫酸アンモニウム鉱物などが同定された。また、黄砂試料を純水に溶解させ、吸引ろ過を行い、メンブレンフィルター上の残渣試料とろ過溶液の蒸発乾固試料を分析した。この結果、ろ過溶液の蒸発乾固試料には、窒素を含有するの存在が明らかになった。
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三好 陽子, 石橋 純一郎, 上原 誠一郎, 桑原 義博, 坂本 丈明, 前藤 晃太郎, 千葉 仁, 山中 寿朗
セッションID: P03
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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鹿児島湾の若尊海底火口に見いだされる熱水性粘土鉱物の解析を行ない、その形成過程を議論した。X線回折法(XRD)・透過型電子顕微鏡法(TEM)による解析に加えて、粘土鉱物の酸素同位体比測定から形成温度の推定を行なった。熱水活動域近傍から見いだされたMg質熱水性粘土鉱物(サポナイト、ケロライト)は、火山性の珪長質堆積物に海水のMgが取り込まれる熱水変質反応が起こったことにより形成されたと結論付けた。
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― 仮定の層電荷変動範囲とスメクタイト固溶体構造組成の変化域の関係 ―
佐藤 悌治, 長井 雄希, 田中 正範, 黒? 英昭
セッションID: P04
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
会議録・要旨集
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発表者らは、前報までに、天然粘土試料中の主成分スメクタイトについて、その層電荷を-0.33と仮定して、
27Al-固体NMRスペクトルからモンモリロナイト-バイデライト系固溶体としての構造組成解析を試みた。今回は、新たに4種を加えた10種の試料について、層電荷を-0.33に固定せず、その変動域を-0.30~-0.40または-0.20~-0.50と仮定したときの固溶体構造組成式およびモンモリロナイト構造とバイデライト構造の寄与率の変化域を求めた。
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成 臣, 地下 まゆみ, 坂本 尚史, 亀井 翼
セッションID: P05
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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河川源流の河道に近接する斜面における粘土層が河川水質形成にどのように寄与しているかを明らかにするため降雨時の樹幹流、土中水、および河道水中の有機成分濃度の経時変化を観測した。その結果、降雨強度が小さい場合は、降雨は全て鉛直方向に流下し、有機成分は粘土層において抑留されるが、降雨強度が大きい場合は発生した粘土層上部の側方流により粘土層に抑留されることなく河道に流下し、河川水中の有機成分濃度が増大することを明らかにした。
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成 臣, 地下 まゆみ, 坂本 尚史, 亀井 翼
セッションID: P06
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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様々な赤外線吸収スペクトル特性を有する土壌に対する水溶解度の異なる農薬の回分吸着試験を行った。その結果;
(1)土壌のC=O,OH基に帰属する波数の透過率の増加とともに農薬の吸着量が高くなる。
(2)特に土壌のC=O,OH基に帰属する波数の透過率の合計が50%以上の場合は水溶解度の高い農薬に対しても高い吸着量を示す。
(3)土壌のC=O,OH基に帰属する波数の透過率の合計が20%程度の場合は水溶解度の高い農薬に対しては低い吸着量を示す。
(4)土壌中の粘土成分、フミン質の両者が農薬吸着量に大きく関与することを明らかにした。
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地下 まゆみ, 黄 辰淵, 小野寺 真一, 清水 裕太
セッションID: P07
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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沿岸地域での富栄養化は汚染物質の陸水からの流入といった人為的由来が影響しているといわれているが、自然由来のリンも関係していると考えられる。本研究では、韓国釜山市近郊の沿岸地域におけるリンの運搬を明らかにすることを目的とし調査・分析を行い、河川堆積物中でのリンの含有量の変化、河川堆積物中の鉱物とリンとの関係を検討した。
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矢部 太章
セッションID: P08
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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高比表面積をもつ酸化マグネシウム(以後HS-MgO)は有害陰イオンをよく取り込み、土壌・地下水の浄化材料として用いられている(吉坂ら, 2008)が、その取り込みメカニズムは明らかではない。予備実験の過程でHS-MgO(periclase)が一般的な取り込み実験時間の範囲内でMg(OH)2に変質することが確認されたために、その取り込みメカニズムを明らかにするには、まずMgOからMg(OH)2(brucite)への変質挙動を評価することが必須であると考えられる。そこで本研究は、時間の関数としたMgOの水溶液中における変質実験を行いHS-MgOの変質挙動を明らかにすることを目的とした。
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香川 典子, 井出 裕介, 定金 正洋, 佐野 庸治
セッションID: P09
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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層状アルカリケイ酸塩、マガディアイトとメルカプトプロピルトリメトキシシランとの反応により、硫酸基とチオール基が固定されたシリル化誘導体を合成した。この材料を酸触媒としてアセトンとフェノールとの縮合反応を行ったところ、p,p’-ビスフェノールAがo,p’-異性体に比べ選択的に生成した。
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山田 裕久, 森本 和也, 田村 堅志, パスクワ チェロ
セッションID: P10
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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層状ケイ酸塩鉱物(ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、フロゴパイト)とZnOとの組み合わせに注目し、水溶液中での不安定性というZnOの欠点を補うとともに、有用元素Znの使用量を削減できる新しい光触媒材料の創製を目指し、基本構造内に形成される八面体シート内の金属元素をZnで置換した材料に注目した。特に水溶液中での光触媒活性の発現を、色素ローダミンBの脱色・分解反応を用いて検討した。
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大橋 文彦, 芝原 敦, 和田 信一郎
セッションID: P11
発行日: 2010年
公開日: 2010/12/01
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アパタイト等のリン酸カルシウムを二酸化チタンに被覆した光触媒複合粒子を含有した塗料が提案されている。しかし有機物光分解機能、耐候性ともに満足できるものではなく、それらの問題を解消できる新しい塗料や塗膜を開発することが強く要請されていた。本研究では、二酸化チタン表面に化学組成や細孔構造の制御されたアルミニウムケイ酸塩高分子重合体であるアロフェンを被覆した複合材料を合成し、この複合粒子を含有したエマルション塗料により形成される塗膜の有する耐候性及び耐汚染性について検討した。
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