抄録
走査型電子顕微鏡(以下、走査型電顕と略す)による葉たばこの断面構造観察にはこれまで、葉たばこの含水率が13%前後のことから脱水処理をせず、便宜的にカミソリの刃により切断し、その断面を直接コーティングして試料とする方法がとられていた。しかし、これ以外の方法について検索された報告がなく、こうした方法が最適なものかどうか明らかでなかった。そこで、葉たばこの場合の断面試料作成方法について検討し、従来の方法より99.5%エチルアルコールから脱水を始める方法が良いことを明らかにし、それをくわしく示した。また、その方法によった若干の葉たばこ試料の走査型電顕観察結果も報告するものである。