抄録
広島県の中北部地帯(標高200〜400m・年平均気温12.0℃〜13.5℃、平均最高気温17.3℃〜18.9℃、平均最低気温6.7℃〜8.1℃、降水量年間1465〜1653mm)では、昭和40年代後半からイグサ栽培が定着してきている。1戸当りの栽培規模も拡大され、中には70〜100a規模の農家もある。栽培規模拡大に伴い、労力分散やほ場の有効利用の面から春植栽培も導入されている。また規模拡大が進むにつれて、苗の確保が十分でなく毎年地区外から苗を購入しており、これに要する出費も大きい。そのため昭和50年から苗の自給を図り、しかも春植栽培にも適用できる育苗法について検討してきたので、その一部を報告する。