抄録
ハトムギは、昭和56年度から転作作物に認定され、作付が増加しているが、殻実収量は年次、栽培農家間で変動が大きい。農産業振興奨励会による昭和58年度全国の採種圃の単収は、9.6〜44.3kg/a、平均19.9kg/a、同実験集落では7.7〜35.9kg/a、平均17.7kg/aと低かった。これは、初期生育が旺盛な暖地や転換畑で密植すると、過度の密度効果によって過繁茂を招き、葉の枯れあがり、根の活性の低下から登熟不良になりやすいためと考える。従来、直播栽培の播種密度は60×20cm(833株/a)が標準であり、移植栽培では田植機利用の関係から、直播以上の密植が一般化されている。本試験では安定収量をえることを主眼に、標準より疎植とし、基肥を十分与えた多肥栽培条件下で、播種密度とあわせて播種期について再検討した。