抄録
オオクサキビの種子は休眠性が極めて深いため発芽率を高めるには人為的な覚醒処理が必要であり, この煩雑さが栽培上の欠点にもなっている。このため, オオクサキビの導入と拡大に当たっては, 簡易で省力安定的栽培法の確立が望まれている。そこで, 筆者らは昭和58年以降自然条件による休眠覚醒をねらった早春期直播の可能性について検討し, 実用化できる技術であることを認めている。本試験では主にイタリアンライグラス品種との関係から立毛中への早春期直播を実施し, 両草種による周年栽培利用体系確立に役立つ若干の資料を得たのでその概要を報告する。