抄録
米の品質評価は従来の検査等級に加え食味にも重点が置かれるようになり、品質評価はもちろん食味向上のための栽培法の確立が急がれている。山下ら、石間ら、佐々木らは、窒素施肥法と米の食味について試験を行い、穂肥や実肥の多量施用は食味を悪化させるとしており、食味評価と米粒中の窒素含量との間に高い逆相関を認めている。しかし、これらの報告では、稲体の窒素栄養条件の米粒中窒素含量への影響について検討されていない。そこで、栄養診断に基づき食味のよい米の生産を図るため、稲体窒素栄養条件と玄米窒素含量の関係について検討した。