抄録
山口県平坦部の小麦作地帯では、加工適性の劣るアサカゼコムギの生産を止め、良質早生品種のダイチノミノリを1990年度に奨励品種に採用、良質中生品種の農林61号とあわせて生産体制をとり、品種面での内的品質向上対策を進めている(第1表)。しかし一方では、低アミロの発生防止等栽培面でも内的、外的品質の向上を図っていくことも重要な課題である。そこで穂数依存の収量確保の考え方を改め、収量を落とさない程度に茎数を抑制して倒状を防ぎ、充実の良い良質の小麦を生産していく、品質重視の栽培法を検討した。また、6年連続となった暖冬に対する対応策として、踏圧の効果を確認したので併せて報告する。