抄録
丹波黒大豆(以下、丹波黒)は水田転換作物の一つとして県内各地で栽培されており、特に中山間地においては特産物としての期待が大きい。しかし、本品種は成熟期が遅いため、しぐれる時期の早い山間地ではその後の収穫・調整に支障を来たしやすく、普及上の問題となっている。そこで、1982年に当場丹波黒栽培圃場内で偶然、発見した熟期の早い個体(前年、隣接して栽培した赤来在来黒大豆と自然交雑したものと思われる)の選抜育成を進めてきた。その結果、有望と思われる赤名系黒大豆1号及び赤名系黒大豆2号の2系統を選抜したので、その特性概要を報告する。