抄録
水稲の高品質生産を実現する上で, 適切な収穫時期を判断することは重要である.収穫適期の診断は, 出穂期からの積算気温, 穂色の黄化程度, 穀物水分計などにより行われている.しかし, 従来の方法には, 穂色の客観的評価が困難, 穀物水分計は個々の籾の破壊調査が必要であり, 面的な把握が困難, などの問題があった.一方, 画像情報は非破壊調査が可能であり, 画像処理により, 穂色および水稲個体群表面色の変化の客観的かつ面的な評価を, 迅速に行うことが可能であると考えられる.そこで本研究では, デジタルカメラによりパーソナルコンピュータに入力した水稲個体群の画像情報を用いて, 穂色および水稲個体群の表面色を評価し, 評価結果と穂含水率の関係について検討を行った.