2021 年 26 巻 p. 21-32
参加をめぐる議論は,まちづくりのための社会教育にとって中心的な位置を占めつつある。本研究では,公民館での地域に根ざした学習活動への参加に関する検討を行う。具体的には,広島市内の5つの公民館の学習者のサンプル(511人)に対する調査に基づいて,公民館での地域に根ざした学習活動への人々の参加に関する新たな実証的エビデンスを提供することを試みる。実際に収集したデータの分析に基づく知見は,社会教育における理論と実践の間の潜在的な不一致を強調するものであった。本研究ではこの知見に基づいて最後に,地域に根ざした学習への多様な参加を促進するための提言を行う。