2024 年 39 巻 3 号 p. 312-317
46歳,女性。先天性緑内障,手足爪の脱落,大動脈弁狭窄症を併存していた。初診2年前より右踵の角化が生じ近医皮膚科で加療されていた。初診1ヵ月前より一部に肉芽様紅色結節が生じ当科紹介となった。右踵に5 cm大の紅色腫瘤がみられ,皮膚生検の結果,紡錘形細胞型有棘細胞癌と診断した。画像検査で右膝窩,右鼠径にリンパ節転移が指摘された。初診3週後,腫瘍は13 cm大に増大した。意識障害を伴い,PTHrP(parathyroid hormone-related protein)が上昇していた。可及的に右大腿切断術を施行し血清Ca値は正常域となった。転移巣に対し放射線治療を施行したが,経過中,著明な白血球数上昇,G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)上昇を認めた。その後,イリノテカン単剤療法を1コース施行したが,病勢悪化に伴い初診4ヵ月後に永眠した。