環境と安全
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報告
巡視における良好事例の収集及びe-learningによる安全知の共有によるSafety-Ⅱへのアプローチ
新潟大学における安全衛生管理の試論
柏木 保人 木村 勇雄
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2022 年 12 巻 3 号 p. 49-57

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抄録

航空管制、化学プラントなどの高信頼性組織では、高いリスクが発生する状況においても安全が維持されねばならない。最近、高信頼性組織の実態を考慮して、従来のリスクが無いことを安全とする概念であるSafety-Iから、事業の安定的な継続性に直接作用する不測のリスクへの対処能力としてのレジリエンスで構築される安全概念のSafety-IIへのパラダイムシフトが指摘されている。大学は、医療現場、理工系研究組織を除けば、高信頼性組織ではない。しかし、大学においてもSafety-IIの概念導入の意義を試論し、考察することは、大学における安全管理の立場からの意義は大きい。そこで、新潟大学で実施している安全巡視及び安全教育における改善策によってレジリエンスポテンシャルを向上しSafety-IIの導入を試みた結果を報告する。

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© 2022 Academic Consociation of Environmental Safety and Waste Management,Japan
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