環境と安全
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論説
鹿児島大学における生ごみアップサイクルモデルの展開と学生教育
大前 慶和
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2013 年 4 巻 3 号 p. 221-228

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抄録

 従来の分析的戦略においては、計画と統制というマネジメント機能が重視されていた。しかしながら、今日の経営環境は非連続的な変化が特徴であり、現代企業は創発的戦略を活用しようとしている。ここに創発的戦略とは、考える組織から生じたアイデアを基につくり出された戦略をいう。この新しいマネジメント理論を前提にすると、大学における教育にも変化が必要であるといえる。自己判断と自己責任によって自発的に挑戦できる人材育成が求められているのである。
 筆者は、ゼミ生の教育に環境プロジェクトを活用し、現代社会に求められる人材の育成をしようと試みている。環境プロジェクトのテーマは生ごみの活用であり、現在ではエコスイーツ活動を展開している。生ごみのアップサイクルがその内容である。鹿児島市を中心として約60社のスイーツ店を巻き込む大きなイベントに成長しており、筆者とゼミ生が一体となって取り組んでいる。大学生という肩書きには重いプロジェクトであるが、確実な成長も見せており、教育的に意味のある取り組みだと考えられる。

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© 2013 大学等環境安全協議会
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