環境と安全
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報告
高エネルギー加速器研究機構における労働安全コンサルタントの導入とリスクアセスメントへの取り組み
平 雅文田嶋 政美澤田 真也
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2016 年 7 巻 1 号 p. 31-38

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抄録
2013年5月に本機構東海キャンパスのJ-PARCハドロン実験施設において放射性物質の漏えい事故が発生した。機構としてはこの事故を重く受け止め、事故の原因究明と再発防止策の検討はもとより、つくばキャンパスを含む機構全体の安全管理体制及び緊急時に実施すべき手順等の再確認と評価を行った。2014年1月、運転再開に向けて施設の改修、安全管理体制の強化を図っている中、J-PARC同施設において高所からの作業員の転落事故が発生した。この転落事故を受けて関係者自ら危機感を抱き、労働安全コンサルタントによる巡視および緊急の関係者全員を集めての安全講習会を行った。さらに労働安全コンサルタントによる巡視、指導を継続的に受けることとした。そこではコンサルタント指導のもと、リスクアセスメントを用いた巡視点検を始めとした活動を行い、職員および関係者の安全に関する知識や意識の向上を進める上で大きな効果があった。 つくばキャンパスにおいても、今回東海キャンパスに倣い、労働安全コンサルタントの導入を試み、3回巡視に同行していただき、有意義な成果が得られた。さらに、今後はつくばキャンパスにおいてもリスクアセスメントの手法を用いた巡視点検を採り入れ、客観的な視点による職場作りを目指すことを検討している。
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© 2016 Academic Consociation of Environmental Safety and Waste Management,Japan
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