Drug Delivery System
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特集 “感染症におけるDDSの応用と将来の展望” 編集 : 山中 昇
アムホテリシンB封入イムノリポソーム
丸山 一雄滝澤 知子鈴木 亮宇都口 直樹
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2006 年 21 巻 5 号 p. 516-522

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抄録

ポリエンマクロライド系抗真菌剤であるアムホテリシンB (AmB) は, 深在性真菌症の治療に用いられているが, 腎障害などの重篤な副作用を示すため, その使用に制限がある. したがって, DDSによる副作用の軽減が望まれている. AmBは水やほとんどの有機溶媒に不溶なため, そのリポソーム化は困難であったが, ポリエチレングリコールのリン脂質誘導体 (DSPE-PEG) と9% sucroseを用いることで, AmBを容易かつ多量にリポソームに封入できることを見いだした. AmB-PEGリポソームは, アスペルギルス感染マウスにおいて高い血中滞留性を示し, 肺内皮細胞に対する抗体 (34A) の付与で, AmBisomeにくらべて高い治療効果を示した.

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© 2006 日本DDS学会
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