抄録
乳がん治療においてホルモン治療は中心的役割を担う.閉経前ホルモン受容体陽性乳がんに対して黄体ホルモン分泌刺激ホルモン誘導体であるゴセレリン,またはリュープロレリンは内科的卵巣機能抑制によって効果を発揮する.ともに1カ月または3カ月間隔に投与する徐放性皮下注射剤である.
4週ごとに投与する徐放性筋肉注射剤である純粋抗エスロゲン剤のフルベストラントは,タモキシフェン耐性またはアロマターゼ阻害剤耐性乳がんに対して有効である.タモキシフェンまたはLHRHアナログのナノ粒子抱合体によって抗腫瘍効果を高める試みがなされている.