Drug Delivery System
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特集 “オリゴ核酸医薬へのDDSの展開” 編集 : 高倉喜信
多糖β-1,3グルカンの受容体を利用したオリゴ核酸の選択的デリバリー
望月 慎一櫻井 和朗
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2010 年 25 巻 6 号 p. 565-572

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抄録
筆者らは,天然多糖であるシゾフィラン(SPG)が核酸と複合体を形成することが見出した.マクロファージや樹状細胞といった抗原提示細胞上にはSPGの受容体であるdectin-1が発現していることから,筆者らはSPGが抗原提示細胞特異的な核酸キャリアになりうると考えた.
本稿では,この新たな多糖・核酸複合体を用いたアンチセンスDNAやCpG-DNAのデリバリーに関して紹介する.CpG-DNA/SPG複合体をインフルエンザモデルマウスに投与すると,複合体がインフルエンザワクチンアジュバントとしてきわめて効果的であることが明らかになった.また,アンチセンスDNA/SPG複合体ではデキストラン硫酸誘導大腸炎の抑制の効果も確認された.
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© 2010 日本DDS学会
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