2010 年 25 巻 6 号 p. 607-614
近年,次世代の医薬品候補として核酸医薬品が注目を集めており,なかでもsiRNAやmiRNAといったRNA干渉を利用した技術の臨床応用が期待されている.しかし,その実現のためには適切なDDSとの組み合わせが必要であり,その確立が大きな課題となっている.アテロコラーゲンを用いた核酸医薬デリバリー技術は,siRNAやmiRNAのin vivoでの効果を飛躍的に高める技術である.
本稿では,筆者らを含めさまざまな研究者によるアテロコラーゲンDDSの最近の応用例について紹介し,本DDSの有用性について論じる.