抄録
近年, 新薬創出の効率化を図る観点から, 実証的な薬物動態評価手段としてPET分子イメージングの活用が重視されている. PETでは, 治療標的臓器・組織中の薬物動態や標的分子に対する薬物の作用状態を画像化し, すぐれた感度で薬物動態特性のパラメーターを直接的または間接的に測定評価することができる.
本稿では, ポジトロン標識薬物による被検薬の組織移行性評価やポジトロン標識リガンドを利用した受容体占有率評価の具体的な応用方法を例示しながら, PET分子イメージングによる臨床薬物動態評価の有用性について概説する.