Drug Delivery System
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特集 “次世代治療を支えるDDS技術” 編集:田畑泰彦
整形外科のためのDDS技術
黒田 良祐福井 友章石田 一成佐々木 謙田畑 泰彦
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2012 年 27 巻 4 号 p. 283-288

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抄録
一般に骨には高い自己治癒能力があるといわれているが、巨大な骨欠損や治癒機転の失われた難治性骨折ではその治療に難渋する。また靱帯、腱、軟骨、椎間板などはその自己治癒能が乏しく、いったん損傷すると自然治癒は望めないといわれている。組織工学・再生医療は足場材料、細胞、生物活性物質の重要3要素を巧みに応用した組織再生を可能にする治療法であり、整形外科領域においても将来性のある魅力的な治療法である。徐放化ドラッグ・デリバリーシステム(DDS)は組織工学・再生医療技術の一つであり、なかでもDDS機能を有するゼラチンハイドロゲルは血管新生促進や未分化細胞をリクルートし、さらにリクルートされた細胞は新たな再生能力を持つ物質を生産するというパラクライン効果が生まれ組織再生の高い可能性が示唆されている。本稿では整形外科領域におけるDDSを利用した再生医療の研究を紹介する。
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© 2012 日本DDS学会
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