抄録
C型肝炎ウイルス(HCV)は1989年に発見された肝炎惹起ウイルスである。C型肝炎は肝硬変へと進行すると年率5%で発がんする。治療の意義は発がんの阻止と生命予後の改善である。抗ウイルス薬インターフェロンが臨床導入された1992年から、第一のブレークスルーは薬物動態を著明に改善したペグインターフェロンの登場、第二のブレークスルーはHCVを特異的に阻害する直接作用型抗ウイルス薬(direct acting antiviral agent:DAA)であり、現在はインターフェロンを含まないDAAだけの治療へと大きくシフトしつつある。DAAに対する耐性変異の解決ができれば、C型肝炎を征圧する道筋は見えてくる。