抄録
今から30年ほど前に抗体治療を目指しさまざまに苦闘されていた諸先輩は、現在の抗体医薬の進歩を予想されたであろうか。現在、抗体医薬の守備範囲は、当初想定されていた悪性腫瘍にとどまらず、関節リウマチや全身性エリテマトーデスをはじめとした自己免疫性疾患、気管支喘息などのアレルギー疾患、炎症性腸疾患や神経疾患、そして骨粗鬆症など多岐にわたり、その有効性が探られ報告されている。本稿では、おもに悪性腫瘍に対する抗体医薬の進歩を概説するとともに、今や、治療体系の主体をなしてきている関節リウマチや炎症性腸疾患における抗体医薬の位置づけや治療薬に関しても触れていきたいと思う。