Drug Delivery System
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特集 “プロドラッグ・アンテドラッグによるDDS創薬” 編集:今井輝子
X線照射下で駆動する生体関連材料を設計する
田邉 一仁
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2015 年 30 巻 5 号 p. 446-453

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抄録
筆者らは、薬剤の副作用の軽減を目標に、X線活性化型のプロドラッグの開発を進めてきた。このプロドラッグとは、化合物そのものは毒性を示さないが、X線照射によって構造が活性な薬剤へと変わり、効果を発現するスマートな薬剤である。薬剤をプロドラッグ化することによってX線照射した病変部でのみ抗がん活性を発現できることから、薬剤が抱える副作用の問題を解決できると考えた。筆者らはアジドメチル基、インドールキノン基、ジスルフィド結合等のX線還元反応を受けて結合開裂を生じる官能基を見出し、各種プロドラッグを設計してきた。本稿では、筆者らが進めてきた低分子抗がん剤、核酸医薬品、および薬剤運搬システムのX線照射による活性制御について、分子設計の視点から解説する。
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© 2015 日本DDS学会
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