抄録
ドラッグを何らかの活性をもつ物質と捉えることによって、ドラッグデリバリーシステム(DDS)技術を医療分野だけではなく、生活環境分野、ヘルスケア分野、および生物医学研究に適用することができる。生物医学研究の目的は、生命現象あるいは治療効果に対する複雑かつ精緻なメカニズムを解明することである。この目的を達成するために、細胞の生物機能と動態の制御あるいは検出が必要となるが、そのkey物質に対してDDS技術を適用することによって、研究効率は高まるであろう。本稿では、DDS技術の生物医学研究に対する具体的な応用例を記述する。加えて、DDS技術を活用することによって、今後の生物医学研究が大きく進展していくであろう新規技術分野についても考えてみたい。