Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
Print ISSN : 0913-5006
ISSN-L : 0913-5006
特集 “がんDDS製剤の臨床応用”  編集:濱口哲弥
G―CSF製剤の歴史
髙橋 萌々子近藤 千紘高野 利実
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 32 巻 2 号 p. 134-142

詳細
抄録

顆粒球コロニー形成刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)製剤は、骨髄中の好中球前駆細胞に存在するG-CSF受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促進することで、末梢血中の好中球数を増加させる。フィルグラスチムのN末端にポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)を結合させ、血中半減期を延長することで作用を持続させた持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチムは、化学療法の副作用の1つである発熱性好中球減少症を有意に抑えるだけでなく、化学療法の治療強度を高めることもできる。PEG製剤の開発により、がん治療が今後さらに発展していくことが期待される。

著者関連情報
© 2017 日本DDS学会
前の記事 次の記事
feedback
Top