Drug Delivery System
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32 巻, 2 号
がんDDS製剤の臨床応用
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
特集 “がんDDS製剤の臨床応用”  編集:濱口哲弥
  • 濱口 哲弥
    2017 年32 巻2 号 p. 93
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
  • 松村 保広
    2017 年32 巻2 号 p. 94
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
  • 大矢 裕一
    2017 年32 巻2 号 p. 95-97
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
  • 小林 幸夫
    2017 年32 巻2 号 p. 100-108
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病の標準寛解導入療法は7+3療法であり、シタラビンを7日間、ダウノルビシンを3日間投与するものである。強化療法では、シタラビン大量療法あるいは、寛解導入療法の用量を減らして繰り返す。ここ10年の間、この用量を巡って大規模第3相試験が行われてきた。シタラビンは極端に短い血清半減期であり、一方で、ara-CTPの細胞内濃度が殺細胞効果となり、高用量のシタラビンで高い細胞内ara-CTP濃度が得られることから、高用量シタラビンも若年者では用いられてきた。CPX-351はこの2つの薬剤を混ぜたリポソーム化製剤である。持続投与のシタラビンと、通常用いられる用量のダウノルビシンの併用療法をコントロールアームとした比較試験で、プライマリーエンドポイントのOSでCPX-351が勝っていたことが二次性白血病で報告された。過去10年で標準療法を書き換えるかもしれない結果である。
  • 山本 祥之
    2017 年32 巻2 号 p. 109-118
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
    これまでに、複数の抗がん剤内包リポソーム製剤が開発され、その臨床的有効性が示されてきた。近年、新たにイリノテカン内包リポソーム製剤であるOnyvide®が、転移性膵がんに対して5-FUとロイコボリンとの併用療法として米国で承認された。本稿ではこの新規リポソーム製剤の特徴および臨床開発経緯について概説する。
  • 牧山 明資
    2017 年32 巻2 号 p. 119-125
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
    T―DM1は、トラスツズマブにリンカーでチューブリン重合阻害剤のDM1を結合させた抗体薬物複合体である。HER2陽性細胞にinternalizationを介して取り込まれたのちに、細胞傷害作用をもったDM―1を放出し細胞死を引き起こす。これまでにトラスツズマブ既治療のHER2陽性乳がんを対象として保険適応を取得したが、その後の臨床開発は容易な道のりではなく失敗の連続である。その主な原因の1つは、T―DM1がトラスツズマブ結合可能ながん細胞以外には効果を発揮できないことにあり、この画期的な薬剤送達システムがある意味で災いしたといえよう。すなわち、がん細胞のHER2 statusが一様ではないheterogeneityな腫瘍や、抗HER2治療といった修飾によりHER2 statusに変化を生じるHER2 loss現象を考慮せぬままでの開発が行われ、T―DM1は十分な効果を示せなかった。今後はこの点に留意したうえでの新たな抗体薬物複合体の開発が望まれる。
  • 矢内 友子
    2017 年32 巻2 号 p. 126-133
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
    Brentuximab vedotin(BV)はCD30を標的とする抗体薬物複合体であり、効能・効果はCD30陽性再発・難治性ホジキンリンパ腫と未分化大細胞リンパ腫である。BVがCD30発現細胞に取り込まれると、MMAEが微小管に結合しアポトーシスを誘導する。重大な副作用として、末梢神経障害、感染症、骨髄抑制、infusion reactionなどがあげられる。他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性・安全性は確立していない。未治療HLと未治療CD30陽性成熟型T細胞リンパ腫を対象としたBV併用化学療法に関する国際第Ⅲ相臨床試験の結果が待たれる。
  • 髙橋 萌々子, 近藤 千紘, 高野 利実
    2017 年32 巻2 号 p. 134-142
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
    顆粒球コロニー形成刺激因子(granulocyte-colony stimulating factor:G-CSF)製剤は、骨髄中の好中球前駆細胞に存在するG-CSF受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促進することで、末梢血中の好中球数を増加させる。フィルグラスチムのN末端にポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)を結合させ、血中半減期を延長することで作用を持続させた持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチムは、化学療法の副作用の1つである発熱性好中球減少症を有意に抑えるだけでなく、化学療法の治療強度を高めることもできる。PEG製剤の開発により、がん治療が今後さらに発展していくことが期待される。
  • 長田 篤史
    2017 年32 巻2 号 p. 143-148
    発行日: 2017/03/25
    公開日: 2017/06/25
    ジャーナル フリー
    薬品開発におけるDrug Delivery System(DDS)の活用は以前から行われており、すでにさまざまな疾患領域で多様なDDS製剤が開発・上市されてきた。オンコロジー領域では、これまでに3剤のAntibody-Drug Conjugate(ADC)が上市され、現在、多くの新規ADCが臨床試験中である。そのほかにも最新のテクノロジーを活用した新たなDDS技術を応用した医薬品が世界中で研究・開発されており、DDS製剤の開発競争は今後も続くであろう。筆者の所属するナノキャリア株式会社ではミセル化ナノ粒子技術を応用した抗がん薬を研究・開発しており、3つの化合物が臨床フェーズに移行している。本稿では筆者のナノキャリア株式会社における臨床開発経験から、新規ミセル製剤の臨床開発における特徴について概説する。
[連載] DDS研究・開発に有用な試薬
若手研究者のひろば
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