抄録
さまざまな他者との間で協力しながら新たな価値を創造していく協創の時代にあって、アカデミアと民間企業に共通して求められている知的財産戦略は、協創のパートナーとしての信頼関係の上に存在する。知的財産の役割は従来のような「研究開発の成果を模倣されないように守る」といった防衛的なところから、「新しい事業を開発し、企業を進化させていくための経営資源」といった戦略的な位置づけに変わってきている。アカデミアの素晴らしい技術や研究成果を民間企業が実用化していくために、どのような知的財産戦略が求められるのか考えてみた。