抄録
医薬品開発において製剤化による難水溶性化合物の吸収性向上は重要な課題であるが、製剤の吸収性向上効果における動物種差の報告は少ない。本稿ではCompound Aの油性製剤化において認められた吸収性向上効果の動物種差について紹介する。Compound Aは難水溶性であり低い経口吸収性を示したが、油性製剤化により吸収性が向上した。しかしながら、製剤化による吸収性の向上効果には動物種差を認めた。油性製剤が動物種差を示した原因を考察した結果、動物種によって消化管内での代謝能が異なるため油性製剤化による吸収性の向上効果が異なった可能性が考えられた。