抄録
医薬品の研究開発において、大きな障害となっているヒトにおける薬理活性不足や予期せぬ毒性発現の課題に対する根本的な解決策は未だ見出せていない。新たな評価ツールとして期待が高まっているMicrophysiological System(MPS)は、3D培養や共培養などによる高機能性細胞をデバイスに搭載し、マイクロ流路で連結することで生体を模倣したものである。Organ-on-a-chipなどに代表されるMPSの関連技術について、海外での先行技術および実用化事例、国内における取り組みを紹介するとともに、今後の展望について述べたい。