Drug Delivery System
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特集 “中枢神経疾患に対するDDSのトランスレーショナルリサーチ”  編集:近藤昌夫
認知症の分子細胞病態の解明と治療法の開発
富田 泰輔
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2019 年 34 巻 5 号 p. 346-351

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抄録
アルツハイマー病(Alzheimer Disease;AD)の病理学的解析および分子遺伝学解析は、アミロイドβタンパク質およびタウがAD発症に深く寄与していることを明らかとした。その一方で、脳脊髄液バイオマーカーの同定、そして脳内イメージング技術の進歩と、臨床観察研究から、ADが慢性的な脳内タンパク質代謝疾患であることも明らかとなり、これら発症原因分子に対する創薬アプローチは予防的な観点で進められるようになった。と同時に、さまざまな認知症の原因疾患において異常タンパク質蓄積が共通に見出され、これらの蓄積に連動して生じる脳内の細胞病態の理解が新しい創薬研究の鍵として注目されている。
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© 2019 日本DDS学会
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