Drug Delivery System
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特集 “合成高分子による細胞機能制御”  編集:樋口ゆり子
生体親和性リン脂質ポリマーを基盤界面とする細胞操作技術
金野 智浩
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2023 年 38 巻 5 号 p. 388-396

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抄録
細胞材料は新時代の医薬モダリティの一つとして期待されており、in vitroでの細胞操作技術の創出が望まれる。細胞はin vitroで基材表面のみならず、分子集合体(ナノゲル会合体)、ハイドロゲル環境(三次元環境)など、さまざまな次元のバイオインターフェースと接触しながら、その機能を発現している。したがって、新しい細胞操作技術を創出するためには、生体親和性、細胞親和性にフォーカスをおいたバイオマテリアルを要素とするバイオインターフェースの創製が必須である。本稿では細胞膜を構成するリン脂質極性基(ホスホリルコリン基)を側鎖に有するメタクリル酸エステルである、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を一成分とするMPCポリマーの分子設計により、その優れた細胞親和性をさまざまな次元に拡張したバイオインターフェースを用いた細胞操作技術について紹介する。
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© 2023 日本DDS学会
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