抄録
炎症は、免疫細胞によって制御される生体防御システムであり、その調節障害はさまざまな疾患に関与している。炎症性疾患治療の有効性と安全性を向上させることを目的に、生理活性を付与したポリマーの設計およびそれらのナノ粒子化技術の開発が行われている。本稿では、ポリアミンとヒアルロン酸をベースとした生体機能化ポリマーの設計と細胞機能制御について紹介する。これらのポリアミンをベースとした生体機能化バイオポリマー用いた治療法は、免疫細胞機能が制御可能な新規炎症治療薬として、潰瘍性大腸炎をはじめとする難治性の炎症性疾患治療への応用が期待される。