抄録
核酸医薬は、あらゆる遺伝子の発現やスプライシングを制御することが可能な画期的な創薬モダリティである。化学修飾やリガンド結合核酸などの発展により、これまで難病とされてきた神経・筋疾患に対する核酸医薬が次々に承認されてきた。しかし現行の核酸医薬には有効性、安全性、DDSといった課題も多い。これらの課題を克服すべく、臨床、前臨床レベルで研究開発が行われている。本稿では特に神経筋疾患に対する核酸医薬について日進月歩の試みを俯瞰する。神経標的の核酸医薬については、血液脳関門通過型のギャップマーアンチセンス核酸や、髄腔投与で中枢神経への優れた分布を達成したsiRNAを紹介する。また筋標的の核酸医薬については、特にスプライススイッチ核酸について心筋・骨格筋に対するDDS向上の試みを、最新の臨床試験の結果を交えて紹介したい。