Drug Delivery System
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特集 “日進月歩の核酸医薬・mRNA医薬開発”  編集:位髙啓史
超音波とバブル製剤による遺伝子の細胞内送達
貴田 浩志立花 克郎
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2024 年 39 巻 5 号 p. 326-332

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抄録
本稿では、超音波技術を利用した遺伝子、とくにキャリアフリーのmRNAの細胞内送達について概説する。マイクロバブルやウルトラファインバブルといったバブル製剤と超音波を組み合わせ、音響キャビテーションによって、低侵襲で標的部位に精密に薬物を送達することが可能である。この手法は送達する薬物のモダリティに制限がなく、遺伝子の細胞内送達にも有用である。殻の修飾により、バブル製剤をさまざまな薬剤・遺伝子を搭載したキャリアとして機能させられる一方で、物理的なエネルギーを用いた本法では、キャリアフリーのmRNAの細胞内送達も可能である。キャリアフリーでのmRNAの細胞内送達技術の応用可能性が期待される組織は、現時点では、皮膚や骨格筋などの直達可能な部位に限定される。今後の生体深部への到達のため、さらなる技術の発展が必要である。
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© 2024 日本DDS学会
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