mRNAキャリアとしてのLNPとナノミセル

抄録

mRNAワクチンに用いられる代表的なDDSである脂質ナノ粒子（LNP）と、投与部位に炎症を起こさずmRNA投与可能なナノミセル型キャリアを、同一mRNAを用いた同一条件での投与で比較検討した。LNPは投与部位での炎症惹起を伴って、投与直後から高いタンパク質発現が得られ、ワクチンに適した性質を持つ一方、ナノミセルは発現量は低いが持続性に優れ、投与部位での炎症はほとんど観察されなかった。目的や投与経路に応じた種々のDDSの選択肢を持つことが、今後のmRNA創薬にとって重要と考えられる。