抄録
動物実験代替法の必要性の高まりに対応し、行政活用の観点からそれらを適切に評価・検証する目的で、2005年国立医薬品食品衛生研究所に日本動物実験代替法評価センター(JaCVAM)が設置された。本稿ではまずJaCVAMの役割について説明し、中でも標準化に必須のプロセスであるバリデーションの実際と、今後全身毒性等、複雑な毒性に対応するための、その見直しの現状について報告する。さらに、実際に日本で開発されたOECDテストガイドラインを例に挙げ、AOP開発からディファインド アプローチ開発までの流れについて具体的に紹介する。最後に、化学物質の毒性評価以外の動物実験代替法の標準化の例として、日本薬局方と医薬部外品ガイダンスにおける筆者の取り組みについて紹介する。