2026 年 41 巻 1 号 p. 34-41
超音波応答性ドラッグデリバリーシステム(DDS)は、外部からの物理刺激を用いた精密な送達制御を可能とし、核酸医薬への応用研究も進展している。とくに、超音波造影剤由来のバブル製剤を基盤とするDDSは、低侵襲性と照射部位特異性を兼ね備え、治療と診断の融合(theranostics)を指向する基盤技術として注目される。筆者らはPEG修飾リポソームを用いた超音波応答性ナノバブル(NBs)を開発し、多様な核酸医薬に適用しうる送達基盤としての有用性を示してきた。本稿では、NBsの設計・高機能化戦略、核酸医薬への応用、およびマイクロ流体技術による均質製剤作製といったこれまでの研究成果を概説する。さらに、theranosticsの実現や疾患・組織特性に応じた照射条件の最適化に資する装置・バブル製剤の統合的開発についても触れ、超音波DDSの性能向上と将来的な高度化に向けた方向性を示す。