2026 年 41 巻 1 号 p. 42-49
抗体医薬品は主要な創薬モダリティとして発展し、その市場は2030年に約4,945億ドルに達すると予測される。しかし従来の皮下免疫では膜タンパク質などの高次構造抗原に対して抗体誘導が困難であり、長期間を要するなどの課題があった。筆者らはDDS技術を応用し、抗原を封入したリポソームを脾臓に直接送達する新規免疫法「脾臓免疫」を開発した。本法では、PEG修飾リポソームを介して脾臓辺縁帯B細胞に抗原を効率的に提示し、短期間で高力価・高多様性・高親和性の抗体を誘導できる。モデル抗原OVAおよび膜タンパク質ACE2に対して、従来法を凌駕する抗体応答と中和抗体の産生を実証した。本技術は、GPCRを含む膜タンパク質に対する抗体創出を可能にする革新的プラットフォームとして、次世代抗体医薬品・診断薬開発への応用が期待される。