2004 年 19 巻 4 号 p. 385-391
RNAiによる遺伝子発現抑制は, がんやエイズ, ウイルス性肝炎などの難治性疾患に対する画期的治療法になりうるものとして注目を集めている. RNAiによる疾患治療の実現には, 生体における効率的なRNAi誘導が重要であり, siRNAに対するデリバリーシステムの開発が必須となる. siRNAおよびsiRNA発現ベクターのin vivoデリバリーに関しては, 遺伝子を対象に検討されてきたデリバリー技術の応用が可能である. 本稿では, siRNAよびsiRNA発現ベクターを生体に投与する方法ならびにマウス個体でのRNAiの可能性について概説する.