Drug Delivery System
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Tissue engineeringをベースとした組織再生誘導治療
心臓血管外科領域における組織再生誘導治療
中島 博之米田 正始
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2005 年 20 巻 2 号 p. 88-95

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抄録
ゼラチンやコラーゲンなどの生体吸収性材料を用いた各種増殖因子の徐放により, DDSのコンセプトから局所に持続的に作用させることが可能となった. 筆者らは, 粒子状やシート状のゼラチンからbFGF(basic fibroblast growth factor: 塩基性線維芽細胞増殖因子)を徐放化し, 虚血肢や虚血心に血管を再生誘導した. 特に虚血心に対しては有茎大網と併用することにより, 血流豊富な血行再建が可能となった(bioCABG). また, bFGFの徐放を心臓への細胞移植と組み合わせることにより, より効率的に筋組織を再生することが出来た. Tissue engineeringの手法により体外で細胞を培養して心筋組織を再生する試みもある. こうした心·血管系の再生治療は, その一部がすでに臨床応用がはじまっており, 効果と安全性が慎重に評価されている.
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© 日本DDS学会
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