昭和歯学会雑誌
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クラウン・ブリッジの統計的観察
-平成3年度分について-
丸山 淳蛭間 有紀子船登 雅彦本村 一朗福永 秀樹川和 忠治
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1994 年 14 巻 4 号 p. 378-386

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抄録

本研究の目的は, 平成3年度に昭和大学歯科病院第一歯科補綴科で装着されたクラウンおよびブリッジに関する統計的情報 (総製作数, 種類および割合, 支台歯の歯髄の有無等) を確定し, 歯冠補綴治療の現状を把握することであり, 以下に示す結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は, 1,116個で, クラウンが903個 (81.0%) ブリッジが213個 (19.0%) であった.2.クラウンのうち最も多いのは全部鋳造冠553個 (61.2%) で, 次いで陶材焼付鋳造冠253個 (28.0%) であり, レジン前装鋳造冠は1例も見られなかった.3.前歯部では陶材焼付鋳造冠がジャケット冠の約3倍, 小臼歯部では全部鋳造冠が陶材焼付鋳造冠の約2.5倍, 大臼歯部では大部分が全部鋳造冠であった.4.ブリッジは臼歯部に約60%, 前歯部および前歯部から臼歯部にかけて約20%ずつ装着されていた.5.ブリッジは, 1歯欠損2本支台歯が最も多く, 2歯欠損においては前歯部では4本支台歯が, 臼歯部では2本支台歯が, 複合型では3本支台歯が多かった.6.クラウンにおいては保険診療が68.8%であり, ブリッジにおいては保険診療が68.1%であった.7.クラウンの支台歯は無髄歯が88.8%であり, ブリッジにおいては無髄歯が67.7%とクラウンの場合より有髄歯の割合が多かった.

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