昭和歯学会雑誌
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クラウン・ブリッジの統計的観察
平成7年度分について
山内 真紀子中田 好久樋口 大輔稲富 康真梅澤 正樹船登 雅彦川和 忠治
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1998 年 18 巻 1 号 p. 50-59

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抄録

本研究は, 平成7年度に昭和大学歯科病院第一補綴科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台数の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は1,135個で, クラウンが922個 (81.2%), ブリッジが213個 (18.8%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠550個 (59.7%) であった.次いで陶材焼付鋳造冠166個 (18.0%), レジン前装鋳造冠149個 (16.2%) であった.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 小臼歯部では全部鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 大臼歯部では全部鋳造冠が大部分を占めた.4.ブリッジは臼歯部に約60%, 前歯部および前歯部から臼歯部にわたるものが, それぞれ約20%ずつ装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部, 前歯部から臼歯部にわたるもの, いずれも1歯欠損2本支台歯が最も多かった.6.クラウンにおける保険診療は75.7%であり, ブリッジにおいては68.1%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯は88.5%, インプラント支台は2.2%, ブリッジにおいては無髄歯が67.3%, インプラント支台は2.3%であり, 初めてブリッジの支台にインプラント支台が使用された.

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