昭和歯学会雑誌
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下顎無歯顎用即時負荷型インプラント (Brånemark System® Novum) を適用した1例
高江洲 慶松井 義郎松浦 光洋大野 康亮金 修澤佐藤 裕二宮下 元
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2004 年 24 巻 2 号 p. 215-222

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抄録

Branemark System® Novumは, 下顎無歯顎症例に対する即時負荷型インプラントシステムである.本システムではまず数種類のドリルとテンプレートを用いて3本のフィクスチャーを3次元的に正確な位置, 方向に埋入する.各フィクスチャーを既製のロワーバーで連結した後, その上部に人工歯を排列したアッパーバーを鋳造操作なしに連結する.このように補綴治療が簡略化されているため, 患者はフィクスチャー埋入手術当日あるいは翌日に上部構造を装着できる.われわれは歯周病のため下顎残存歯がすべて保存不可能であった62歳の男性に対し, 本人が治療期間の短縮を強く希望したために本システムを適用した.1年経過後まで特に問題はみられず, 患者も治療結果に極めて満足している.本論文は, この症例の治療経過と本システムを適応するための診断基準について記載している.下顎無歯顎症例に対して下顎無歯顎用即時負荷型インプラント (Branemark System® Novum) を適用したことで治療期間が短縮された.術後経過は特に問題なく, 患者の満足度も高かった.今後, さらに症例を重ね, 従来法と本法との比較を行っていく予定である.

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